!!!独断と偏見による文献紹介
　三国志に関する本を、片っ端から買っている今日このごろ。
本は高いので、もっぱら古本屋に行く。
正史・演義から、それに基づく物語文学や創作もの、雑誌の特集など実に幅広い。
読む速度より買う速度の方が早いため、家の中に三国志本の山がいくつも出来ていく。
全８巻などというシリーズものの途中が抜けていたりするととても気持ち悪い。
古本屋を何件もはしごして足りないところを探しまくることになる。
全部揃ったところで、やっと安心して読みはじめられるのだ。
　最近では目が「三」という字に反応するようになった。
「三人姉妹～」や「三毛猫ホームズ」にまで、ドキッとして視線が釘付けになる始末である。
!『三国志』吉川英治
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昭和14年8月26日（英治47歳）から昭和18年9月5日（51歳）まで新聞に連載された。
昭和以降の三国志ブームの火付け役、バイブル的小説である。
三国志演義のストーリーをほぼ忠実に追いながら、登場人物の心理や情景を作者の
豊かな表現力で補足し、物語としての面白さをより一層引き出している。
特筆すべきなのは以下の2点
・物語が、孔明の死で終わっている。
　吉川氏自身があとがきで「これ以降の物語は蛇足であるから、私はここで筆を置く」
　と述べている。その後の三国の行末が、3ﾍﾟｰｼﾞほどに要約されて、おまけのようについている。
・「連環の計①」で呂布に董卓を殺させた、ちょう蝉は、「董卓暗殺成功」の報を聞くや、
　「我が目的は達せられた」と、自害している。（戦前、戦中の日本の倫理観に合わせている）
　演義では、その後ちょう蝉は呂布の死まで、彼の妾として登場し、その後行方不明となっている。
!『英雄ここにあり』『英雄・生きるべきか死すべきか』柴田錬三郎
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前者は昭和41年1月（錬三郎49歳）から43年12月（51歳）まで「週間現代」に連載、
この作品で、昭和45年、第四回吉川英治文学賞を受賞。
☆私は、「吉川英治文学賞」って、三国志を題材にした長編小説を対象にしているのだろうか、
　と疑問に思ってしまいました。
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後者は昭和49年5月（57歳）から昭和51年9月（59歳）まで「週間小説」に連載。
　全体的に、オリジナルである演義にとらわせず、かなり自由な発想で物語が展開されている。
・姜維が始め、魏の刺客として登場。孔明の命を狙うが、使命を果せず退散。
!!三国志の後半が、孔明がかわいそうで辛くて読めない、という皆様へ
!『反三国志』周大荒
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　曹操に母を囚われた徐庶は、水鏡先生の説得で劉備のもとに留まり、孔明の作戦により
　無事母を救出。孔明、徐庶、ほう統、と3人の軍師を得た劉備が天下を取る。
　あまりにもオリジナルからかけ離れてしまっていて、今一つピンと来なかった。
!『孔明死せず』伴野朗
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!『大三国志』志茂田景樹
!『孔明の野望』加来耕三
!!推理小説がお好きな方へ
!『諸葛孔明の憂鬱』渡辺精一
!『孔明推理綺譚』辻真先
　「孔明」という名前さえ出て来れば、もう何でもいいのか。と言われてしまう私。
　三国志にハマッている現在、同じ推理小説を読むなら、やっぱり探偵はシャーロック･ホームズ
　や、エルキュール・ポワロじゃなくて諸葛孔明がいい、と思う今日このごろである。
!!周瑜ファンの貴方へ
!『周瑜伝』今戸榮一
!『周瑜奔る』
!『赤壁の宴』藤水名子
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!『旋風は江を駆ける』『江のざわめく刻』『二龍争戦』朝香祥
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!!三国志をネタにした軽いノリのギャグを楽しみたい方へ
!『STOP劉備くん』白井恵理子
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　三国志ネタはもちろん、時事ネタも取り上げている楽しい4コマまんが。
　私は、熟読してすべてのオチを覚えてしまった。
!『SWEET三国志』片山まさゆき
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　ものすごいパワーを感じさせる作品。
　一見アバウトに描かれているように見えて、細かいエピソードも洩らさず収録され、
　しかもたったの5巻で完結してしまっている。（黄巾の乱～孔明没）
　横山光輝氏なんか同じ部分を描くのに、50巻も費やしているというのに。
　光栄のドラマCD「天下3分の計（てんか、さんぷんのけい）」に次ぐ最短記録だと思う。
　三国志ファンの皆様には是非ご一読頂きたい作品である。